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PHP・Laravelでnullsafeに開発する

公開日:2024年12月04日 カテゴリー:Laravel, PHP, コラム, 開発

おそらく初心者が悩むであろうnullの扱い。インターネットスラングでは NullPointerException をぬるぽと言うことがあるほど、多くのエンジニアはnullの扱いに悩まされます。
そこで今回はLaravelにおけるnullsafeな開発をご紹介します。

nullsafeとは

まず、nullsafeとはなんでしょうか。ずばり、nullという値を持つことを許容し、NullPointerExceptionが発生しない概念のことです。
つまり、もう「ガッ!」する必要がなくなります。
null安全ともいわれ、JavaやC#などの静的型付でありながらも比較的柔軟なプログラミング言語で採用されています。
そしてPHPにおいてもPHP8から導入されました。

nullsafeの利点と欠点

nullsafeの利点としては以下が考えられます。

  • 可読性の向上
    簡素に記述できるようになります。二項演算子や三項演算子による記述が減ります。
  • API操作の向上
    たとえば動的なプロパティをもつAPIからデータを取得するときに、nullsafeなら例外が発生しません。
  • データベース操作の向上
    ORMを使って、リレーション先のデータを取得する際に、nullsafeなら例外が発生しません。

このように、いままでNULLの場合は~と記載していたことが不要になります。

一方で欠点もあります。

  • nullが発生した場合、どこで処理するのかが不明結局どこかでnullの対応が必要とする意見も多数あります。
  • 上記の理由により型安全が脅かされるコンパイラでは適切にエラーを出力できなくなります。

以上のことを考慮すると、固めの業務ロジック等にはあまり向かなさそうです。

PHP・Laravelでnullsafeに開発しよう

では、ここからPHPおよびLaravelでnullsafeに開発してみましょう。

laravelでは古くから optional() 関数がありましたが、PHP8よりnullsafe演算子が導入されたので、どちらでも記載することができます。
そこで両方の記載方法をユースケースとともに紹介します。

データベースからデータを取得する。

例えば、USERテーブルとそれに1対1で関連するJOBテーブルがあるとします。

USERテーブル

ID name JOB_ID
1 タロ 1
2 ジロ null
3 サブロ 2

JOBテーブル

ID job_name
1 SE
2 営業
3 総務

このとき、以下のようにUSERのIDを指定すればjob_nameが取れるとします。

ではid=2のとき、どうなるでしょうか。次のようなエラーが出ます。

おなじみのエラーですね。

では、この対応法としては次が考えられます。

いろいろ書けますね。下の二つだと、SQLを1度発行するだけで済むのでリソースを有効活用できるのではないでしょうか。

まとめ

nullsafeな開発をすることで、さまざまなメリットがあります。しかし、その分のデメリットもあります。
そのため、うまく使い分けることが大切です。みなさんも使えそうなところでは使ってみてください。

 

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