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【書評】上流をサバイブするために今年読んだ本

公開日:2021年12月15日 カテゴリー:コラム, マネジメント, レビュー

ご無沙汰しております3年目Kです。

私は3年目に入り、大きな案件の小さなチームでPLのような立場や、
先日の記事で紹介があったユニット会ではユニットリーダーをやらせてもらったりしています。
また、工程も詳細設計や実装から要件定義や基本設計などいわゆる「上流工程」へとシフトしました。

しかし、上流工程で要求されるスキルはプログラミングやアルゴリズムを考えるといったテクニカルスキルよりも、
お客様の要望・要求をまとめたり、チームメンバーのフォローやお客様とチームメンバーの仲介といったヒューマンスキルが重視されます。

そのため最初はとても苦労しました。というのも、明確な答えがないためです。
そこでいろいろな人の意見や本を読み、それを実践して振り返るというサイクルを今も繰り返しています。

おそらく多くの下流から上流へとシフトする人が経験する壁だと思います。
というわけで、今回は「上流をサバイブするために今年読んだ本」と題しましていくつか本を紹介します。

ターゲット

  • 2~3年目の下流から上流へとシフトするエンジニア(いわゆるPGからSEへと成長する人)
  • ソフトウェアエンジニアリングを理解したいあなた

1冊目「システム設計のセオリー –ユーザー要求を正しく実装へつなぐ」赤俊哉 著

なんとなく詳細設計をやっていて、それなりにできていたが、基本設計をしっかりやろう、と思ったときに最初に読んだ本です。
この本は要件定義の終わりあたりから詳細設計まで順に解説しています。
そのためどこでどんな成果物が必要かがとても明確にかかれています。
ただし、どんな風に設計すればいいのか(たとえばDDDなりクリーンアーキテクチャーといったパターン)は記載されていません。
つまり、汎用性は高いのでどんな案件、プロジェクトにも適応できるが、具体的な設計手法については自分で学習する必要があります。
実際私はClean Architecture(Robert C.Martin著)エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計(Eric Evans著)といった具体的な設計手法の本を読みました。

2冊目「だまし絵を描かないための– 要件定義のセオリー」赤俊哉 著

この本は、自分が次は要件定義をやってみることになったときに手にした本です。
1冊目と同じ方が書いた同じシリーズの本なので、1冊目との連携も考えられて書かれています。
そのため1冊目とセットで読むことをお勧めします。
この本では1冊目ではほとんど触れられていなかった、業務フローを概念モデルへと落とし込む工程が詳しく書かれており、
1冊目と同じく、非常に汎用性が高いであると思います。一方、やはり汎用性を重視した内容なので、
個別の業務ドメインについてはどのように要件定義を進めればいいのかがこの本ではわからないと思います。

3冊目「「プロジェクトマネジメント」実践講座」伊藤 大輔 著

自分がリーダーとしての役割を与えられたときに、さてPMとはなんぞや、というレベルのときに読んだ本です。
内容としては比較的やさしめなので、1~2年目のエンジニアが
「PMやPLはこんなことを考えてプロジェクトを管理しているのか」ということを知ることができると本だと思います。
それは悪い意味ではなく、自分が日々行っている行為の再確認にもつながり、知識の定着化と理論化につながると本であると思います。

4冊目「誰でもチームをゴールに導ける! プロジェクトリーダー 実践教本」伊藤 大輔 著

3冊目の本を読んで、「理論はわかった、じゃあリーダーってどうやってやるのが正解なんだ?」と思って読んだ本です。
3冊目と同じ筆者の本ですが、こちらの本はどちらかといえば自己啓発本に近く、縦書きで書かれています。
一番印象に思ったフレーズとしては「リーダーに正解はない、自分自身の情熱次第でだれでもリーダーになれる」といったことです。
リーダーとして迷えるあなたにお勧めの一冊です。

最後に

今回は上流フェーズに特化して4冊を紹介しましたが、他にもいろいろな本を読みました。
「リファクタリング」や「エンジニアリング組織論への招待」、「エンジニアのための知的生産術」などなど。。。ここでは紹介しきれません。

また、これからも読んだ本を紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。